ナツイチ


昔、高校生の頃


夏休み前になると本屋に行った



文庫本コーナーに


夏休みイチオシみたいな感じで


おすすめの文庫本たちが並び


それらの本の紹介をまとめた

小さな冊子が


出版社ごとに置いてあって



それを読むのが好きだった


その冊子のタイトルは毎年変わり

「ナツイチ」とか「ナツコイ」


とかで、それを読むのが夏の楽しみだった



夏になると冊子が出る

本屋に行く

文庫本は買わずにその冊子を持って帰る

それでいろんな本のあらすじを読んで

ひとり静かにもの思いにふける

そんな時間が好きだった




なんとなく今日は


それを思い出したんだ