9月の椛

 

 

3人目が産まれ、

育休をとっての一カ月。

 

 

仕事から離れて家事に育児に

専念できる日々。

 

 

今日のご飯は何にしようかなと

料理本を開いて、買い出しに行って、

子どもを送り出して、迎えに行って。

産まれたばかりの赤ちゃんを

お風呂に入れて、着替えさせて。

 

今までなかった時間を

こんなふうには過ごせなかった時間を

しずかに過ごしている。

 

休みの猶予や時間をあまり気にせずに

家のこと、子どものこと、

目の前のことに専念できるということが

とてもしあわせだなと思う。

 

 

今まで素通りしていた思いや

手が回らなかったこと

ゆっくりできなかったことを

噛みしめるように向き合える時間が

何よりよかったなって思うよね。

 

 

人生には立ち止まる時間が大切で、

いつもそれを旅の中に求めていた。

 

 

家庭や子供ができると

それは難しくなるし

一人で旅に出たいとも思わなくなって

 

そういえば忘れていたなと

ふと思い出した。

 

 

またこの時間を糧にして

前を向いて歩いていこうと思うよ。

 

 

飛ぶためにはしゃがむ必要があるように

人生にもしゃがむ時間が必要で

 

しゃがんだ分だけ遠くに飛べるし

また走ることができる。

 

そして、

いいことはかたつむりの速さで動く。

 

 

少し肌寒くなった秋の風と

季節どおりの彼岸花

夕暮れ時のひんやりとした空気。

 

 

高校生だった19年前に、あの時

も感じていたものも同じだったな。

 

 

そんなことを考えた今日でした。